マリーナとクルーザー
朝7時だ。起床して新たな1日を始める時だ。
毎朝日の出を少しすぎたこの時間がえもいわれぬ美しさだ。かすかなやわらかなオレンジ色が周囲のあらゆる暗い色をやわらげている。
熱いお茶を飲みゆっくり朝食を済ませ支度をしホテルのロビーを出た。
セントーサ・コーブ
丁寧な眼差しのボーイに行く先を問われ、セントーサ・コーブと告げるとタクシーを呼び運転手に指示を出す。運転手がボーイに「はい、ボス」と晴れやかにほほえみ、ボーイも晴れやかにほほえみ、私も晴れやかにほほえむ。
ドアはバタンと閉められた。
マリーナのお洒落で優雅でのんびりした雰囲気をあじわいたくセントーサ・コーブは今回の旅では2回目の訪問だった。
シンガポールから橋を渡りセントーサ島に入ってすぐ通行税を7S$ほど払う。ホテルからは30分弱で到着する。
クルーザー
待望久しいクルーザーの展示会は今日が最終日だった。
非の打ちどころのない洗練されたクルーザーの数々に圧倒された。
1番高価なクルーザーで€49.950.000(50億)のものがあり驚嘆した。
ここは、シンガポールで唯一、外国人が土地付き住宅を購入できるエリアでなんと物件相場は数十億円だそう。こんな素敵な場所を世界の大富豪たちがほおっておくわけもなく邸宅を構え、クルーザーを所有し、人生を謳歌している事がわかった。もちろん自分で運転を楽しむわけではなく乗客なのだろう。思いを巡らせせていると、堂々たる恰幅の欧米人の紳士が上半身裸で船から出てきた。そしてさも気持ち良さげに風になびくシャツをまとった。
クルーザーで大海原を航海し釣りをしたり泳いだりはもちろんだが、ハーバーで停泊してるクルーザー(生活必需品の全てが揃っている)の中でのんびりしながら観光客の目に触れることも彼等のステータスだそう。
キーサイドアイル(商業施設)へ着いたところでランチをした。
シーフードレストランGREEN WOOD FISH MARKET
わりと名の知れたレストランらしい。
この店の生牡蠣はこんなに産地別の種類があるのかといささか感心した。価格も一個4S$〜9S $まである。産地別で注文し違いを味わってみようかとも思ったが一抹の不安が頭をよぎる。生牡蠣を食べて「あたる」という症状だ。わりと思寮深くなり逡巡したあげくさしあたりビールを頼む。そしておすすめだと言われた7S$のBrittanyを2個づつを注文した。
なんとも濃厚でクリーミーな味わいだった。
パスタはペペロンチーノとペスカトーレ(トマトソースと魚介類)にして、プレートをもらいシェアする。
パスタはとびきり熱く茹で加減もアルデンテで風味も味も良かった。
マリーナを散歩しWホテルの壁で覆われたプールサイドの脇を通ると大音量でノリノリの洋楽が流れていた。落ち着いた雰囲気のマリーナがその場所の一画は陽気なムードに包まれていた。
木製の船が展示されていた。貴重なのでかなり値がはりそうだ。
ハーバーの周辺にあるスーパーをのぞいてみる。まず目についたのはフルーツの王様ドリアン。シンガポールの法律では電車やバス、ホテルには持ち込み禁止だそう。罰金刑まではないらしい。シンガポールには驚くべき法律がある。ガムの持ち込み噛む行為はNGでこちらは罰金最高S$10万(ガムの不始末が絶えないことから制定された。)他にはトイレの水の流し忘れに最高S $1000、決められた場所以外での横断は最高S $100、公共交通機関内での飲食は最高S $500(テイクアウトする時は手提げ袋に入れてもらう。)、ポイ捨ては厳禁最高S $1000、鳥のエサやり最高S $1000,禁煙場所での喫煙最高S $1000(屋内はほぼ禁煙、屋外では建物から5メートル以上離れていれば喫煙可能)税関申告してないたばこの持ち込みは最高S $10000。などなど。
チリソースが種類も豊富に並べられていた。イギリスで有名なMaldonのフレーク状の塩やイギリス人が大好きなポテトも種類多くが売られていて品数も豊富だった。このスーパーはイギリス人、オーストラリア人にとって日用品の補給に好都合だろうと思われた。
こちらのFlooting Donut(大きな浮き輪に底を張ったもの)にはグラスやプレートが並べられていた。
使わない時はかなりコンパクトになるみたいだ。
マリーナの周りを散策していると芝生の敷地に屋根だけの建物があった。
この建物の前方は海、潮風あびながらのフリースペースのようだ。
寝転んで読書をしている人がいたりとても平和な雰囲気だった。
目の前の素敵な海を見ながらのヨガスペースでもあるようだ。まるで青のグラデーションのような海と空を眺めながらのヨガは心地良く自然と呼吸も深くなり、体がやわらかくなりそうだと思った。
優しい潮風にふかれ海をしばらく眺めていた。居心地が良く美しい場所だった。
遠くに見えるクルーザーがハーバーへ戻るためにゆったりと進んでいく。